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3.1.3 地殻変動の連続観測

図3.1.3-1 GPS観測が捕らえた地殻の水平変動

[国土地理院のデータによる]

 浅い大きな地震が発生すると、震源付近で岩盤の隆起・沈降、伸び・縮みといった地殻変動が発生する。このように、地震は地震波を放射するだけでなく、永久変位ももたらす。地震波に含まれるいろいろな周波数成分の内、周波数ゼロ(周期無限大)の波が地殻変動であると言ってもよい。従って、地殻変動の観測は地震観測の重要な一要素でもある。

 地殻変動を連続的に観測する計器が、歪み計、傾斜計などである。古くから、石英管伸縮計、水管傾斜計、水平振子傾斜計など、観測壕内に設置する計器が使われてきた。1960年代以後、岩盤に掘り込んだボーリング坑内に設置するボアホール式の計器が開発され、盛んに使われるようになった。

 体積歪み計は、その代表的なものである。これは、岩盤内にシリコンオイルを満たした円筒を埋め込み、その容積変化から岩盤の体積歪みを測定するものである。その後、水平3方向の歪み変化を測定する3成分歪み計も開発された。想定される東海地震の監視のために、駿河湾の周辺には体積歪み計の観測網が展開されている。また、ボアホール式の傾斜計も関東・東海地区などに多数設置されている。

 地殻変動の観測は、GPS観測網の展開によって革命的な進展を見ることとなった。GPS(汎地球測位システム)は、専用の人工衛星が発する電波を観測して、観測点の位置とその変化を正確に測定するシステムである。日本では、国土地理院が全国に約1000の観測点を展開している。図3.1.3-1は、この観測網が捕らえた地殻の水平の変動の様子を示したものである。日本列島では、1年間に数cmにもおよぶ地殻変動が進行していることが分かる。この観測網から、広域の地殻変動を時々刻々追跡することができるようになった。


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