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第I部 第4章 地震波とその性質

4.1 地震波を読む



4.1.1 地震の観測記録

                           
 震源からは、P波とS波の単純なパルスが放射される。ところが、実際に観測される波形は単純ではなく、複雑な形をしている。これは、地震波が地球内部を伝播する途上で反射、屈折、散乱などが生じ、種々の「相」(フェイズ)が付加されるためである。

 いま単純なパルスと言ったが、震源の破壊過程が複雑な場合は、震源から出る波自体も単純ではない。われわれが観測する地震波は、震源で起きた出来事(t)と伝播途上の出来事(t)が重ね合わさったものである。さらに地震計の特性(t)が重なり、実際に観測される地震波(t)は

(4-1)

となる。ここで、記号*は畳み込み積分を表す。各項のフーリエ変換をで表せば、上式に対応する周波数領域での表現は、

(4-2)

となる。ωは角周波数である。

 地震記録(t)の中に組み込まれた(t)と(t)に関する情報を分離・抽出することによって、それぞれ、震源過程の研究、地球内部構造の研究が進められてきた。


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