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4.3.4 発震機構とその表現法



図4.3.4-1 震源球と等積投影の方法.
原点Oは震源の位置.

 再び初動の押し引き分布に戻ろう。図4.3.1-1に示した押し引き分布は、垂直(傾斜90°)の横ずれ断層という、最も簡単な場合のものであった。それでは、震源断層が傾斜していたら、また、食い違いの方向が上下方向の成分をもっていたらどうなるだろうか。こうした一般の場合には、押し引き分布を地図上で示すと非常に複雑になり、実際の役に立たない。

 そこで地震学では、もっと汎用性の高い表示法が用いられている。図4.3.4-1を使って説明しよう。まず、震源を中心とする小さな球(震源球)を仮想する。観測点に至る波線を逆に辿って、波線が震源球を切る点に、観測された押し・引きを記入する。波線を辿るためには、地下の地震波速度の3次元的な分布が分かっていなければならない。実際には、真の速度分布に近い速度構造モデルに基づいて、この計算が行われる。

 各観測点のデータについて同様の作業を行うと、震源球上には沢山の黒丸と白丸がプロットされることになる。ここで、地震はダブルカップル震源であることを思い起こそう。黒丸と白丸は、震源を通る2つの直交する節面で、きれいに4つの領域に分かれるはずである。これを指針として、データに最もよく適合する節面を決定する。このようにして得られた節面のセットを地震の「発震機構」、または「(震源)メカニズム」という。

 しかし、震源球そのままでは使い勝手が悪い。そこで、震源球上に示された黒丸・白丸や節線を平面上に投影する。地球上の陸や海を平らな地図上に表すのと同じことである。一般の地図では目的に応じていろいろな投影法が使われているが、地震学では、等積投影法と呼ばれるものが用いられる。




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