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5.2 断層モデル



5.2.1 静的断層パラメータ



図5.2.1-1 震源断層の静的パラメター [阿部勝征(1990)による]

 震源断層は実際には複雑な形状をしているし、すべり量も断層面上で一定というわけではない。しかし、こうした複雑な現象をそのまま取り扱うのは現実的ではない。そこで、実際の断層破壊を単純化した断層モデルを設定して、震源断層の研究が進められてきた。

 多くの場合、断層面は長さ、幅Wの長方形でモデル化される。断層面の走向Φ、傾斜δは図5.2.1-1に示す通りである。走向は断層面と水平面が交差する線の方向で、北から時計廻りに計った方位角で表す。また、断層の傾斜方向を右手に見る向きを正とする。断層面の上側のブロックが上盤、下側のブロックが下盤である。

 図には、上盤側のすべり方向(食い違い方向)が矢印で示されている。これを「すべりベクトル」と呼び、ベクトルの長さが断層すべり量を表す。この図の場合には、断層の食い違いは、左横ずれ成分をもつ逆断層型となっていることを確認しておこう(4.3.3参照)。すべり角λは、断層面内で計った水平からの角度で表す。矢印が上方を向いているとき、λは正とする。従って、純粋な逆断層の場合にはλ=90°、正断層の場合にはλ=−90°となる。

 以上によって、長方形の断層モデルに対する幾何学的なパラメータが全て定義された。すなわち、断層面の形を定める、水平面(地表面)との関係を定めるΦとδ、すべりの大きさと方向を定めるとλである。これらを合わせて、震源断層の「静的断層パラメータ」という。


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