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7.4 地震波の長周期成分



7.4.1 新潟市の石油タンクが溢れた原因



図7.4.1-1 SMAC型加速度記録

 1964年新潟地震の被害の最大のものは大型石油タンクの火災であった。ヘリによる化学消火も成功せず1ヶ月にわたり石油が無くなるまで燃え続けた。このときの石油溢流の原因は地盤の液状化によるという考えもあったが、新潟市の地盤には10秒の卓越周期があり、これと大型石油タンク内の石油の固有振動周期10秒とが共振したという考えもあった。前者は液状化によってタンクの支持力が失われたと考え、後者は近くの新潟気象台では周期10秒の波が何処の地震に対しても大きく描かれているから、これを地盤の卓越周期と考えたのである。前者の見方が正しければ、大型石油基地の対策としては深さ10メートルほどの地盤の改良が十分有効となるが、後者の見方が正しければ、原因は1000メートルにもおよぶ洪積層にあるので、地盤改良だけでは不十分ということになる。近くで図7.4.1-1の加速度記録が得られたが結論は得られなかった。

いずれが正しいかは1983年日本海中部地震で明らかとなった。この時も新潟の大型石油タンクで溢れるものがでた。新潟の震度は3であり、他に被害が全くなかったので液状化が原因ではない。このときの新潟気象台のような地震計記録によって、石油タンクの溢れた原因は地盤の卓越周期との共振現象で説明することが出来る。このような場合の対策としては、石油タンク内の石油の動揺を妨げるような工夫が有効であろう。


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