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9.1.2 古い型の被害



図9.1.2-1 神戸市の地形の分布[(翠川(1995):科学朝日緊急増刊「地震科学最前線」による]



図9.1.2-2 (a)神戸市の夜間人口分布(b)神戸市の死者数の分布および木造家屋の倒壊率の分布[(翠川(1995):科学朝日緊急増刊「地震科学最前線による]

 震度7の定義であった住家全壊率30%以上という被害地域は、六甲山地と大阪湾の間の狭い低地帯に帯のような形で発生した。図9.1.2-1 にこの地域の地形を示す。この地帯で倒壊家屋が多数発生し、圧死者もほとんどこの地域に集中した。地震発生時刻は早朝であり、就寝中だったからである。この様子を、図9.1.2-2(a)および図9.1.2-2(b)に示す。この低地帯には人家が密集し、JR山陽線、阪神高速道路、阪急高速道路が通っている。海岸に近い地帯はほとんど埋め立て地であり、全面的に液状化を起こしたが、地震動の最大加速度はむしろ低地帯より小さくなっており、住家の倒壊率も圧死者数も少なかった。

 震度7とされた地域にもほとんど無被害で立っている建物も多数ある。倒れたものと倒れなかったものの明暗を分けた原因は次のようである (鈴木,1995)。

  1. 地震への抵抗要素「筋交いと壁」が不足であった。古い家には、不足のものが特に多かった。
  2. バランスを欠いた壁の配置。宅地が狭く細長い家では壁の配置が悪くなっていた。
  3. 弱かった接合部。木材部の腐っていたものが多かった。
  4. 重かった屋根。
これらの家屋は「既存不適格」の建物であった。一方、古い建物でも以上四つの条件を解決しているものは生き残った。


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