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5.2.2 一次散乱理論による
エネルギー密度の時空分布











図5.2.2-1 一次等方散乱モデルによるエネルギー密度の時間変化(左,点線は漸近解)と空間分布(右)

 一次散乱波のエネルギー密度は、解析的に積分が出来て、次式で表される。

(5-3)  
ここで関数

(5-4)  
と表される。関数の極限で対数的に発散するが、が大きいところでは

(5-5)  
に漸近することがわかっているので、十分時間が経過したときのコーダ波エネルギー密度は

(5-6)  
と表すことができる(Aki and Chouet,1975)。すなわち、一次散乱波のエネルギー密度は、直達波の到着と共に対数的に発散し、時間が経過すると共にその逆自乗に従って減少する。

この時間変化を図5.2.2-1の左に示すが、赤点線で示した漸近解に近ずく様子がよくわかる。図の右の空間分布からは、直達波の後ろに散乱波のエネルギーが残り、十分時間が経過しても、特に震源の近くに貯まっているのがわかる。

一般に経過時間が大きくなると、多重散乱を考慮することが必要になる。多重散乱を厳密に扱った輻射伝達理論では、時間の経過と共に拡散方程式の解であるガウス型の分布へ漸近することが示される (Zeng et al.,1991; Sato,1993)。


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