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5.3 コーダ波を用いた散乱と減衰の測定

5.3.1 全散乱係数goの測定



図5.3.1-1世界各地で測定された全散乱係数goの値.一次等方散乱モデルにもとづく測定. 1, Kanto, Japan [Sato, 1978]. 2, Kanto, Japan [Aki, 1980b]. 3, New Brunswick, Canada [Dainty et al., 1987]. 4, western Nagano, Japan [Kosuga, 1992]. 5, central Greece [Baskoutas, 1996]. 多重等方散乱モデルにもとづく測定. 6, Kanto-Tokai, Japan [Fehler et al., 1992]. 7.1, central California; 7.2, Hawaii; 7.3, Long Valley in California [Mayeda et al. 1992] 8, 16 measurements in Japan [Hoshiba, 1993]. (Sato and Fehler, 1998). [Copyright by the Springer Verlag]

 震源の近傍の観測点において、震源時からある一定の経過時間におけるSコーダ波振幅を地震の輻射エネルギー(地震のマグニチュードから推定できる)で割算すると、S波散乱の強さを規定するパラメータである全散乱係数を求めることができる。
(5-7)  
 ここでは 地震iの観測点jにおける中心周波数HzのSコーダ波の速度振幅であり、は地震iの輻射エネルギーである。 は、数周期にわたる平均である。このの値は、世界各地で精力的に調べられてきた。最近の世界中での観測結果を、図5.3.1-1に示す。この図に示すように、の値はおよそ程度であることがわかってきた。最近では、これよりもやや小さい値の報告が多い。 の逆数である平均自由行程が約 100 km という値が、地殻から上部マントルにかけてのリソスフェアと呼ばれる領域の不均質の程度を特徴づけている。測定されたの値にはかなり幅があるが、これはがまだこのくらいのオーダーの量であることがわかっているにすぎない事を意味している。

 地球と異なり月では、月震(月の地震のこと)が発生するとその振動が1時間以上も継続することが知られている。 このことは、月では内部減衰がとても小さく、かつ散乱が非常に強いことを表している (Dainty and Toksöz,1981)。


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